乗用車のタイヤには、夏用タイヤ、冬用タイヤ、オールシーズンタイヤ…と気候に合わせてざっくり3種類のタイヤがあります。
とくに夏用タイヤにはさらに細かく、エコタイヤ、コンフォートタイヤ、スポーツタイヤ、ランフラットタイヤで分けられます。これらタイヤの特徴をみていきましょう。
夏用タイヤ
エコタイヤ
低燃費タイヤのことです。
どう低燃費なの?という疑問ですが、燃費を良くする効果とは、すなわち転がり抵抗を抑えることになります。
転がり抵抗が低いとグリップ力が低下してしまうデメリットはありますが、最新のタイヤは同時に2つの性能を克服するために工夫されています。
低燃費タイヤはグレーディングシステムによって転がり抵抗係数とウェットグリップ性能をそれぞれ等級分けしているので、タイヤを選ぶ際の1つの基準になります。
タイヤラベリング制度
転がり抵抗係数…AAA・AA・A・B・C
ウェットグリップ性能…a・b・c・d
コンフォートタイヤ
プレミアムタイヤとも呼ばれますが、乗り心地や静粛性を重視されているのがコンフォートタイヤです。
低燃費性やグリップ性能はエコタイヤに比べてやや低めですが、それでも充分な性能を持っていると言えます。
値段が少し高め。高級外車の純正タイヤとして使われていることが多いです。
スポーツタイヤ
グリップ力を重視したタイヤで、他にも直進安定性、ドライ性能、ウェット性能も優れているタイヤです。
加速やコーナリング、高速走行など、アクティブな運転に向いていると言えます。
一方で乗り心地や静粛性が低めとなっています。
ランフラットタイヤ
ランフラットタイヤは、万が一タイヤがパンクしたとき(空気圧ゼロ)でも、しばらくはある程度の距離を走ることができるタイヤです。BMW、レクサスなどの高級車に採用されていることが多いです。
空気が抜けてから走れる距離はメーカーによって差がありますが、80km~100kmと言われています。
スタッドレスタイヤ(冬用タイヤ)
スタッドレスのこと。以前は冬用タイヤに鋲(スタッド)がついていましたが、それを失くしたタイヤが現在スタッドレスタイヤとなっています。
夏用タイヤとの大きな違いは、タイヤのゴムの柔らかさ。
そして特殊な溝を採用することにより、タイヤが雪道や凍った道としっかり密着するように作られています。
冬用なので夏に使ってしまうと制動距離が伸びてしまうため、冬限定となります。
雪の深さによってはチェーンをつけたほうが良い場面もあります。
オールシーズンタイヤ
1年中使える全天候型タイヤ。
夏用タイヤと冬用タイヤのそれぞれの特化した性能面と比べると、オールシーズンタイヤの性能は低くなってしまいますが、完全に劣っているわけではないので、バランス型とでも言いましょうか。
もともとオールシーズンタイヤは海外で主流で、日本に流通してきたのは最近です。
国産タイヤメーカーでも少しずつラインナップを増やしています。
「1年中使える」と聞くと、使い勝手が良さそうですが、実は一番選ぶのが難しいタイヤなのかもしれません。